診療所の開設は、医療法第8条に基づき、開設後10日以内に管轄の保健所に診療所開設届を提出する必要があります。保険診療をやらないのであれば、この届出が受理された時点で、施設が整い診療を開始できる状態で、事実上診療所としての営業が可能となります。（厳密には検査や指導があります）つまり、自由診療の場合、開設届受理が診療開始のほぼスタートラインとなります。

シリンジ注射針など医療機器・医療材料の調達において、販売納入業者は販売先が医療機関（診療所・病院）であることを確認しなければなりません。直接対面の取引の場合、医師本人であることや明らかに診療所・病院が現存することも確認しやすいです。
　ところが、非対面のインターネット通販での取引となりますと、医療機器・医療材料の購入希望者が医師なのか、診療所が存在するのかを客観的事実（行政機関のエビデンス）によって確認する必要がございます。

自由診療の場合、保険診療の保険医療機関の指定日を待たずに、診療開設後すぐ診療を開始できます。開設後すぐにでも診療を開始営業を始めたいといお気持ちもわかります。そのためには、開設前にシリンジ注射針など医療機器・医療材料を調達準備する必要がありますがハードルが高くなります。
　前述の通り、アスクル等インターネット通販業者は医療機器医療材料を販売するあたって、診療所開設の行政のエビデンスを必要とします。
　「医療機器・医療材料をアスクル等インターネット通販で事前に購入したいけど、診療所開設届受理前なので購入できない」というミスマッチが発生します。

①診療所開設届から実際の診療開始までの間に一定期間があり、かつ医療機器・医療材料購入権限の設定手続きを最短で行うことができれば、アスクルからの調達は可能。
②診療所開設届受理前に医療機器医療材料を購入準備したいのであれば、アスクルからの購入はできない。

とりわけ美容外科・美容皮膚科・美容形成外科等の自由診療のみの診療所様の場合は、保険診療の診療所様と違い、準備期間に余裕がないケースが多いようです。（保険診療の診療所様の場合は、「診療後開設届→翌月1日保険医療機関指定→実際の診療開始」のケ－スが大半で開設から1カ月程準備期間があります。）限られた準備期間内に医療機器医療材料を調達する必要があり、診療所開設届後にアスクルで購入可能な状態になる（医療機器医療材料の購入権限設定手続きが必要）にも所定の日数を要しますので、その所要日数をミニマムに行うことが大切になります。