患者はこうやってクリニックを選ぶ
患者はこうやってクリニックを選ぶ
患者さんに選んでもらう
診療所・クリニックの新規開業にあたり、新たな患者さんが来てくれるか不安ですよね。集患の観点から患者さんに見つけてもらうにも、「クリニック名・診療所名」の重要性は別記事でご案内しました。そして、次は複数選択肢のクリニックの中から、患者さんに選んでもらわなければなりません。
患者さんはクリニックをどうやって選ぶか?
最近の患者の行動パターンは?
新たに受診するクリニックを選ぶ時、どのような行動をとるでしょうか。最近はみなさんこうではないでしょうか?(ネットを使わない高齢患者本人の場合は除く)
- 「診療科」「エリア」のキーワードでGoogleで検索(例:「眼科」「豊洲」)
- 複数候補クリニックのWEBサイトをチェック
- Googleのクチコミ評価★レビューをチェック
- X旧twitter(SNS)でクリニック名のキーワード検索でツイートをチェック
- 医療機関クチコミサイトをチェック
→食事をする店を選ぶにも、必ずといっていいほどクチコミ評価を事前チェックする時代です。ましてや自分の生命健康にダイレクトに関わるサービスを選ぶ際は、さらに念入りにこれらを見て、総合的に受診クリニックを選びます。
ここでは②③④⑤についてコメントしていきます。(①は別記事ご参照)
まずは②クリニックのWEBサイト
必ずチェックします。クリニックのWEBサイトがないのはもはや論外です。また基本情報だけのテンプレっぽいWEBサイトのクリニックは、家族や友人の評判等がない限りなかなか選べませんね。ポイントとしては、1.院長ドクターの情報 2.診察日時予約可否 3.院内設備等の情報 です。
1.院長ドクターの情報
患者の一番の目的は、専門知識・経験も豊富な、見立ての良いドクターに診てもらい、病を治してもらうことです。ですので、どんな人物なのか?自分が気付いていない疾患を見つけてもらえるか?自分の病を治してくれそうなのか?ドクターの志、専門分野、経歴、実績、診療方針を拝見します。また、診療内容説明も、単なる疾患の語句羅列ではなく、ドクター自身の言葉で、患者目線の説明・見解や医療情報等を掲載してくれている所は安心感があります(=実際の診察でも丁寧な説明・処置の期待感が持てます)。少しの情報しか載せてない所は不安ですね。患者は安心して信頼できるドクターに診てもらいたいのです。
クリニックのWEBサイトで、院長情報や診療内容の部分をサラッと羅列でしか掲載されていない所をお見受けしますが、非常にもったいないです。一番重要なアピールポイントかつ、患者さんが一番見るところですので、「ドクターの顔が見えるような」かつ、しっかりした内容にすることをおすすめします。特にクリニックWEBサイト内で、院長自身がブログ等で日常の様々な疾患や健康維持に関することを個人目線・患者目線で語るのはオススメです。患者さんにはドクター個人のtwitterやインスタでの発信よりクリニックサイト内でのしっかりした内容のブログがより有効と考えます。
2.診察日時予約可否
クリニックを受診しようと思ったとき、一番のネックが時間が読めないことです。何時間待たされるんだろう?会社・学校を休まなければならない?とまず思います。どんなに混んでいようが、何時間待とうが、そのドクターでなければダメという方は別として、クリニック選びの要素として、普段の生活で忙しい皆さん、時間はとても重要です。個人的にも、クリニック選びにおいてドクター選びは一番重要ですが、次は時間です。「人気のあるクリニック=混むのが当然、そうでない所は空いている?」というジレンマもあったりして判断に迷うところではありますが、それをある程度解消するのは「予約」です。
予約が可能なクリニックであれば、多少移動距離が延びてもわたしはそちらを選択します。時間が読めるからです。患者の利便性配慮かつ計画的に診察したいというドクターの意思の表れでもあるので、評価に値します。
これからのクリニック、簡易的でも予約システムの導入はマストと言えます。集患数は上がりますね。
3.院内設備等の情報
付加的要素ではありますが、クリニックの最新医療機器等整備状況や、施設内の様子を閲覧することにより、「最新設備が整っている→検査の精度が高い→診察の精度が高い」と患者さんの期待値も上がります。院長情報・診療内容に加え、受診を後押しする要素ですね。但し、建物や内装がおしゃれとかはクリニック選びにはあまり判断基準にはありません。
③次に、影響力大・Googleのクチコミ評価★のレビュー
「検索=Google」である今、Googleの影響力は強大です。そして、そのクチコミ評価★のレビューも影響力が非常に大きいです。医療機関のクチコミサイトもいくつかありますが、なんといってもGoogleのクチコミ評価は露出度が非常に高い上、圧倒的なアカウント数なので否が応でも皆見てしまいます。またどこかが運営する専用クチコミサイトと違い、いいクチコミもネガティブなクチコミも選別・忖度なく掲載されているので、本当の生の声かもしれません。普段ネットを使う患者さんの大多数はこのクチコミ評価を閲覧済は間違いないです。そして、クリニック側としては注視しておかなければなりません。
ネガティブなクチコミ評価を受けてしまうと
評価はあくまで個人的意見なのですべて鵜呑みにはしませんが、クリニックを探している間、ネガティブな同様のクチコミを複数見かけますと多少なりとも不信感を抱かざるを得なく、「ここ、やっぱやめておこうかな」と影響を受けてしまいます。
クリニック側は、必要以上に臆することはありませんが、ネガティブなクチコミ評価を受けないのに越したことはございません。特に新規開院したばかりで低評価クチコミを受けますと、新患メインのクリニックは集患数で非常に厳しくなります。悪気はなくても低評価なコメントを受ける場合もございます。事実であるかどうかに関わらず、決して感情的にならず、一度受け止めて改善する姿勢を見せるなど、真摯に適切な返信をするが必要です。結果、それを外から見た他の見込み患者様からの印象はよくなります。(ちなみに、Googleへ削除申請依頼しても、ネガティブなコメントがあっただけではポリシー抵触に該当しない限りいつまでも投稿は表示は消えません。)
定期的チェックは必要
エゴサーチの是非はありますが、全体管理者として、クリニックで起きている問題把握の為、定期的チェックは必要かと思います。仮に何かクリニック側にも非の心当たりがあった場合は真摯に対応していくのが第三者からみてもベターかと思います。また、ネガティブコメントの内容ですが、ドクターの診察に対するコメントの他、受付やスタッフの応対等についてのコメントも非常に多くみられますので、スタッフ教育や患者様を受け入れする業務フロー改善を検討される機会にもなるかと思います。容易に改善できるような些細なことでクリニックの全体の評価を下げてしまい、集患数を減らしてしまうのはもったいないですね。
①患者さんからの不満・ご意見(SNS、ご意見箱) →②クリニックで起きている問題把握ができる →③院内全員で意識的に改善する・改善結果を表明 →④患者満足度が上がる のスパイラルをつくり最終的に①を極小化することがクリニック運営にとって非常に大切です。
ネガティブSNS投稿を減らす「院内ご意見箱」
ご意見箱の設置はおすすめです。やみくもにSNSで不満を書き込みされ、集患数を減らす要因を生んでしまうよりも、院内できちんと貴重なご意見として取り入れて、改善すべき点があれば見直していくという姿勢を見せることは患者さんからみてかなりの好印象です。広くご意見をお伺いし、愛されるクリニックとなるようサービスの向上に役立てましょう。回答を掲示までされている所はほんとすごいですね。
<ご意見箱の設置のメリット>
- 患者さんの率直な生の意見が聞けて、気持ちが分かる。
- わざわざクリニックについて問題点・改善点を洗い出し教えてくれる。
- 意見を出した患者さんは、仮にクリニックに不満を持っていたとしても、その気持ちを表に出したことで、ある程度ネガティブな気持ちが解消される。→SNSネガティブ投稿への発展を抑止する効果
- 患者さんの声に耳を傾ていますという姿勢をPRできる。
- お褒めや感謝の言葉があると、ドクター・スタッフ皆の励みになり、モチベーションが上がる
■ご意見箱設置の際は次の点に配慮しましょう
①無記名OK(任意記名にする。意見の内容によっては直接回答の為)
②施錠管理「院長本人が直接中身開封・確認します」と明記。(←責任者に直で届くPR。スタッフに対する意見も含まれる可能性がありデリケートな点を配慮)
③設置場所は、可能なら受付スタッフの目の前から少し離れた場所がベター(←見られていると投函しにくい)
さらに、④X・旧twitter(SNS)でクリニック名のキーワード検索
Googleのクチコミ評価の他、実際に受診された患者の生の声が見れるのが、X旧twitter等です。個人的な意見ですので鵜呑みにはしませんが、クリニックを選ぶ上でも有益な情報元となります。またGoogleのクチコミ評価と違って、匿名性はありますがそのツイート元のアカウント情報を見ることによって、信頼性がある程度計れますので、多少の選別の判断はしやすいです。(普段のツイートを見て信頼性の低いアカウントは判断材料としない)
⑤医療機関のクチコミサイトも
代表的なものをご参考までに掲載します。但し、サイト運営側の掲載基準・配慮があり、投稿内容を選別(よくないクチコミは非掲載等)して掲載している所もございます。
EPARKクリニック・病院 https://fdoc.jp
Caloo・カルー https://caloo.jp
病院なび https://byoinnavi.jp/
チラシ・看板のアナログ手法も駆使すべき
WEBでの集患にクローズアップしてきましたが、実は、あまりWEBを見る環境にない高齢者に限らず、『近所で新しいクリニックオープンの内覧会のチラシを見て』『通勤通学時に看板を見かけて』クリニックを選ぶというのもかなりの割合で多いのが事実です。そのそも、自宅エリアや通勤通学の途中なら自ずと通院しやすく、患者さんにとって通院の距離的なハードルはなくなりますね。最近では、「目に留まる・記憶に残る」という観点からすると、もはや膨大な情報量のWEBに埋もれた広告より、希少なアナログの紙の広告の方が珍しくより印象深いです。新規オープンのクリニックは看板広告やチラシも合わせて取り入れ、デジタルとアナログを両方駆使し、あらゆる層を集患されるべきかと思います。
あとがき
患者さんが新たにクリニックを選ぶとなると、昔から「家族・友人に評判を聞いて」「他診療科医師から紹介」が多く、情報がないと「近いから」「看板を見て」だけで短絡的に選ぶ傾向がありました。今は、WEBやSNSにより情報オープン化共有化がされており、患者さんにとってはクリニック情報を得られやすく選択の幅が大きく広がりました。患者さんもなかなか時間が取れない中、クリニック選びに失敗したくないので、事前にWEBサイト・SNS・クチコミ様々な情報をちゃんと調べた上、クリニックを選ぶ時代です。
「患者さんに選ばれるクリニック」になるには、1)患者さんが何に期待しているか?どう行動するか?を認識し、2)患者さん目線でWEB上で発信しつつも、3)患者さんの期待に添う診察・愛されるクリニック運営を目指していかなればならないかと思います。それによりWEBでも自然といいクチコミも増え、集患においても、好ましいスパイラルが作れるかと思います。
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